02/09/2009(Mon)
近くて遠い目標

(この日は、風邪で体調がすぐれないのに、長々お邪魔してすみませんでした。)
写真は小布施ワイナリーの四代目で栽培醸造責任者の曽我彰彦さん。
玉村本店からは車で30分ほど。先日、お忙しいところを無理をお願いして、時間を割いていただき、いろいろお話を聞かせてもらいにお邪魔してきました。

曽我さんは、国産ブドウ100%はもちろん、自社ブドウ100%化を目指しています。2005年には雹(ひょう)で大被害をうけたりもしているのですが、日本では無理だともいわれる、欧州ブドウの無化学農薬栽培に取り組み、そうしてつくったブドウでは、ワインづくりでは一般的な補酸、補糖を一切しないといったように、品質に対するこだわりは半端ではありません。
醸造も、手間がかかっても、伝統的な樽熟成に徹底的にこだわります。この日も見せてもらったのですが、スパークリングワインづくりも、伝統的なシャンパンの製法を忠実に再現した、ものすごく手間のかかる方法に取り組んでいます。
本場ブルゴーニュでの修行を経て、ワインづくりを主導する曽我さんですが、国内外のコンクールで数々の賞を受賞したり、全日空のファーストクラスに採用されたりと、非常に高い評価を受けています。(現在は、コンクールに迎合するのは、ワインの没個性化につながるとの考えから、国外のコンクールへの出品は見合わせているとのことです。)

(飾り気のない素朴さが小布施ワイナリーさんらしさなのですが、酒蔵を改装したここの雰囲気はとても素敵です。)
なによりも品質重視で、採算がとれるのかと、まわりを心配させる程の熱意で取り組むその姿勢には、とにかく頭が下がります。「いいものさえつくれば、採算なんか、あとでなんとかなるんだ」という気概を強く感じます。
曽我さんの存在は、ずっと気になっていて、ぼくが玉村本店に入って、志賀高原ワインの方向性(←以前は小布施ワイナリーさんで瓶詰めしてもらっていました)や、ビールづくりを始めることなどを考える過程で何度かお話を聞いて、すごく大きな刺激をもらいました。
「あくまでもいいものをつくるんだ」というその姿勢と同時に、醸造が農業に密接に関連しているという(ある意味あたりまえの)ことを、改めて認識させてくれたのが曽我さんだったと思います。

(なにせ量よりも質重視。売り切れちゃうワインも続出なので、どれも貴重なワインです。)
ワインとビール、ブドウとホップなど、取り組んでいるものは違うんですが、今回、数年ぶりにまたお会いして、その妥協のないストイックなまでの姿勢を再確認して、自分たちが、まだまだだなあと痛感しました。
近くにいるのですが、まだまだ遠い大きな目標です。
おかげで、いくつか新しい挑戦のヒントもいただきました。また、気持ちを新たに、ぼくらも頑張らなきゃと思うのでした。
曽我さん、本当にありがとうございました!
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小布施ワイナリーの経営姿勢を評価される玉村さんが造るお酒。これからもますます楽しみにいたします。
なにができるか、真剣に考える今日この頃です。
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