12/30/2009(Wed)
2009私的十大ニュース(上)

恒例の玉村本店の私的十大ニュース
一月は、ノルウェー Nogne O のKjetil さんとのコラボレーションで、Not So Mild Aleが誕生。ぼくらにとって初めてのCollaboration Brewで、二月のリアルエールフェスティバルにも、初参加。おかげさまで大好評。いろんな面で、非常に勉強にもなりました。
「最良の食中酒」を追求する玉村本店ですが、春には、玉村無濾過生原酒三種を発売。スタンダードクラスの味の酒、まだまだこれから育てていかなければいけませんが、手応えありです。
六月には、モントリオールビアフェスティバルに招待されて参加。初めて、コンテストのジャッジをしたり、多くの出会いがあったりと、大収穫でした。帰りに訪れたサンフランシスコでも、尊敬するブルワーたちと会えて、すごく刺激を受けました。十月にはフランスのストラスブールのビアフェスにも出品。予想もしていなかった、インターナショナルな広がりに、ちょっとびっくりです。
モントリオールでは、カナダでも最も人気のあるブルワリーである Dieu Du Ciel! とのコラボレーションで、「一石二鳥」が誕生。すごく面白いビールに仕上がりましたし、実力のあるブルワーと一緒に醸造することで、いろんな新しいアイディアをもらい、ぼくらの技術の進歩にも収穫大でした。
春からは、「自然農法」なるものに興味を覚え、「雑草PJ」と称した遊びに挑戦。ホップづくり初年度は、たいした成果がでていませんが、その後の蕎麦は、量はともかくなんとか収穫ができ、蕎麦好きとしては大満足。現在は、「原料を知る」という意味で、大麦づくりにも挑戦中です。
つづきます。
06/23/2009(Tue)
セミナーをする。

フェスティバルに招待してもらうにあったってコンテストのジャッジのほかに、セミナーをすることも条件でした。
会場は、各種セレモーニー行われるコンコース内の一角。

僕の番は、Japan Nightの翌日の午前。
結構ハードスケジュールで、時差ぼけになっている暇もありません。
日本のクラフトビールについて(と日本酒についても)話せとのことで、何本かビールと酒を紹介しながらの45分です。

まあ、そんなにものすごく大勢の前でもなかったですが、後で気づけば、ブルワーとか業界関係者の比率が高かったです。
ぼくのMacがプロジェクターにつながらずに、用意したプレゼンテーションを小さい画面でしか見せられなかったりと、はじまる前には、間が持つかと心配したのですが、やってみると45分はむしろ短かったです。すごく一般的な内容だったのですが、質問も結構でて、みんなにサンプルのビールを飲んでいただくのも、結構バタバタでした。
ともかく、なんとか無事にお役御免となってひと安心したのでした。
06/20/2009(Sat)
コンテストのジャッジをする(その2)

写真は、審査二日目。イタリアのBirrificio Baladinというブルワリーのオーナー Teo Mussoと、イギリスのビールのコンサルタント・インポーター・ジャッジのGlenn Payne。
この他にも、スウェーデン、ベルギー、アメリカ、フランス、そしてもちろん地元のカナダと8か国からの9人のジャッジが参加。
Great American Beer Festival や World Beer Cup等での審査経験が豊富な人、ビールのジャーナリストやインポーターなど、幅広い経歴の9人です。
フリースタイルの審査ですし、ある程度ジャッジの個人的な嗜好に左右される点は否めないと思うのですが、そういう意味で幅広いバックグランドをもつメンバーを集めたということかもしれません。

写真は、審査を終え、記念撮影を撮る際に、「刑務所の囚人の写真撮影みたいだ」といってふざけているところ。
審査中は私語厳禁ですが、二日間8時間近くも一緒にいたので、いろいろ話もできて刺激もうけました。
で、結果は(英語ですが)こちら。(ジャッジのうちの一人、Carolyn Smagalskiのサイトです。)
スタイルを基準にしないという審査故に、どうしても度数の強いビールをよしとするバイアスがかかりそうかなとも思ったのですが、結果はアルコール度数6%以下のものも約半分。
前回も書いた通り、当初はちょっと戸惑いましたがやはりスタイルとか度数とかに関係なく、やはりいいビールはいいんだとやってみて感じました。
あと、全体にビールのレベルは高かったと思います。弱点を探すというネガティブな面よりも、よりビールとしての魅力のあるものを選ぶという印象でした。
結果的には地元カナダ、それもケベックのビールが圧倒的でした。もちろんエントリーの比率も高かったのだと思うのですが、今回地元のビールのレベルの高さに驚きました。
モントリオールのビールのレベルの高さについては、また後日。
06/18/2009(Thu)
コンテストのジャッジをする(その1)

今回のフェスティバルで、「Concours MBière - MBeer Contest」というコンテストが行われました。
このコンテストの9人のジャッジのうちの一人として、ぼくも参加してきました。
ご存知の方も多いかもしれませんが、思うところがあって、今までぼくらは自分のビールを一度もコンテストに出品したことがありません。
そんな僕が、ジャッジをしていいのかとも思いましたが、今回招待してもらうのもジャッジをするのが前提でしたし、カナダのみならず世界から集まるビールを飲めるのも勉強になるのは間違いないと思い、引き受けました。
審査は6/3-4の二日にわたって行われました。
審査員は鍵のかけられた部屋で3人ずつテーブルにつきます。1回に3種類ずつのビールが運ばれてきて、それを15分で審査します。同じテーブルの3人には、全て違う組み合わせのビールが配られ、私語も許されません。トイレも自由にいけないという厳格さです。
このコンテスト、たぶん世界の他のコンテストとは相当違います。
あらかじめ決められたビールのスタイルのガイドラインを基準に、そのビールが審査されるのとは違い、このコンテストではスタイル等に一切関係なく審査が行われ、プラチナメダル1つと、ゴールドメダル10が選ばれます。あくまでも味を重視するということで、ビールの外観(色あいや透明さ等)も審査項目からはずされています。
スタイルを基準に審査が行われるコンテストで、素晴らしいビールが、そのスタイルに厳密にあわないということで受賞できなかったり、既存のスタイルを越えたビールが増えてきたりしているということもあって、このコンテストでは、純粋に飲んで美味しいビールを選ぶということが主眼に置かれています。
ぼくらに与えられる情報はビールのみ。
正直、例えば低アルコールの穏やかなビールから、高アルコールで個性の強いビールまで幅広くあるなかで、本当にいいものを客観的に選べるのだろうかと、最初は戸惑いました。
とはいえ、各ブルワーが真剣につくったビールです。
真剣にやってきました。
まず飲んでみて、自分の思うそのビールのスタイルを記入。あとは、香り、味を採点するとともにコメントしていきます。
4セット、最大12種類をティスティングして、休憩。その後もう4セット。これを二日間くり返します。
結構疲れましたし、戸惑いもしましたけど、非常に勉強にもなったのです。
ちょっと長くなっちゃったので、続きはまた。
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