12/31/2020(Thu)
私的十大ニュース 2020 (下)

「コロナ」で、どこにもいけなくなった分、今年は農業とあらためてじっくり向き合うことができる年となりました。もともと、去年行った社員旅行で秋鹿酒造さんに大きな刺激を受けたこともあって、米作りへの取組を大きく一歩進めるつもりでした。新たに田んぼを借りて、耕作面積を昨年までの1.5倍に拡大。念願の金紋錦づくりへの挑戦をはじめました。できるだけ自然な米作りを目指して、新しいことにあれこれ挑戦。ビギナーズラックだったかもしれませんが、上々のスタート。すべてが自家栽培米となることしの金紋錦で仕込む酒が、いまから楽しみです。来年は、さらに田んぼも増やし、去年までの2倍を予定。さらに新たな挑戦をするつもりです。
農業への取り組みを大幅に拡大するために、新兵器もあれこれ導入。しかし、緊急事態宣言のタイミングで今年最大の設備投資が届いたときには、ビビりました。このほか、マキタロウや新しいコンバインも。機械をそろえただけじゃなく、環境整備も。農業への取り組み強化は、まだはじまったばかり。まだまだどうなるかわからない状況ではありますが、来年も、積極的に投資する予定。しかし、醸造や充填設備じゃなくて、農機具への投資ばかりしている会社って...
一方で、ホップは凶作ともいえるくらいに不作。「コロナ」の影響もあって、すべて自分たちだけでの収穫となりました。Harvest Brew も4仕込しか出来なかった。気候の影響ももちろんあったとは思いますが、実は他に重大な問題がおこってます。そんなにすぐに解決できるものではないので、ぼくらのホップづくりは、これから数年厳しい時期を迎えます。でも、決してあきらめずに、確実に今以上を目指して準備をはじめています。
なんだか農業のことばかり書いてますが、今年はスペルト小麦に初挑戦。ふたごや農園の白木さんとの出会いに感謝。初年度は豊作。来シーズンにむけて栽培面積も増やしてます。ブルーベリーとラズベリーの方は、なかなかの豊作。かたちになるのは何年も先になると思いますが、実は他にも新しい作物への挑戦をはじめてます。いずれも楽しみなやつ。もちろん、育てるだけじゃなく、スペルトをはじめ、こうした新たな成果を生かしたビールへの取り組みをはじめたり、いろいろ妄想したりしています。
残念ながら、SNOW MONKEY BEER LIVE 2020 は、中止せざるを得ませんでした。収穫祭も出来なかった。それぞれのタイミングでつくった SNOW MONKEY IPA が好評だったのがせめてもの救い。SMBL2020 だったはずの日は、中止にもかかわらず大勢の人が駆けつけてくれたなぁ。でも、残念ながら SMBL2021 の開催も断念しました。かわりに何か出来ないかとは考えていますが、みなさんと直接お会いして前みたいに一緒に飲むまでには我慢が必要そうです。そんな状況下、ぼくは料理の腕が上がったり、15年以上振りくらいに棒を振ってみたり(←こんな年に親父と親分と勝負出来た。もう負けない予定)、たくさんレコードを聴いたり、自分で髪を切れるようになったりしました。いままで以上にできた時間に戸惑いながら、いろんなことを考えてます。なんだか、ちょっと「いいやつ」になったんじゃないかと思いながらも、もしかしたらそれは衰えてキレをなくしただけじゃないかと心配にもなったり.... 早くみんなに会いたいなあ。
とにかく、こんな厳しい年ではありましたが、みなさんのおかげでなんとか玉村本店一同、健康で、無事年を越せそうです。縁喜・志賀高原ビール・山伏をお引き立ていただいたみなさんに本当に感謝しております。
来年も、どうぞよろしくお願いします。
05/11/2020(Mon)
そして、金紋錦に挑戦です!

今年二度目のすじまき。
このあいだ、ちょっと書いた「新たな挑戦」とは、金紋錦のこと。
金紋錦は、たかね錦という酒米を、あの山田錦と交配して生まれた長野県生まれの酒米。
ところが、その後いろいろあって、一時は「幻の酒米」と言われるまでの希少な品種に。
山田錦って、やっぱり酒米の王様っていわれつづけるだけの、すごい魅力があります。
決して名前だけじゃなくて、そのふくよかな味の巾とキレ。
でも、あくまでもうちなんかよりも温暖な西の米。
買ってはこれるけど、それじゃ日本中おんなじ米になっちゃう。
ぼくらは、できるだけ「この地ならでは」にこだわりたいし、そうしようと思ってます。
この金紋錦は、その山田錦を親にもつだけあって、そんな山田錦の魅力を、かなり受け継いでいます。
うちでは、お隣の木島平村でできるその金紋錦を使った酒にもう10年以上取り組んできたのですが、ついにその米を自分たちでつくることに。
これには、米そのものが手に入るようになったこともあるけど、去年、大阪の秋鹿さんでうけた刺激が、なにより大きかった。
山田錦には敵わないかもしれないけど、この地でできる米で、挑戦してみたいのです。
というわけで、あたらしく田んぼを借りました。
いきなり耕作面積が1.5倍になることになります。
ゼロからの挑戦だし、どうせなら、できるだけ自然な米作りをしたい。
いままでのやり方にとらわれずにやってみようかと。
というわけで、新兵器も導入したのですが、すじまきも新しいやりかたで。
この日は、お借りした農機具を、メーカーの方の指導のもとやってみました。
細かいことは書きませんが、「眼から鱗」ってことだらけ。
なんかいいかも。
なーんて、これから、きっと苦労するんだろうけど、それも楽しもうと思ってます。
来年の今頃には、この米の酒、飲んでもらえるはずです。
12/31/2019(Tue)
私的十大ニュース 2019 (下)

今年もいろんなとこ行きました。東京ドーム、大阪、吉祥寺、高田馬場、けやき、代官山、新潟、札幌、夢と魔法の国、苗場、(ぼくはいってないけど)一関、けやき、渋谷、金沢、恵比寿、吉祥寺、下北沢かな。それなりに気力も体力もいるのですが、同時にみなさんとお会いして、一緒に飲めるのはすごく楽しいです。来年も、いろんなところでお会いできるの楽しみにしています。
自分たちが出かけていくだけじゃなくて、たくさんの方々が、ぼくらの地元を訪れてくれました。SNOW MONKEY BEER LIVE 2019 と 15周年でもあった収穫祭ともに、やっぱり今年も最高でした。THE FARMHOUSE、TEPPA ROOM も、まだまだ少しずつですが進化しています。SNOW MONKEY BEER LIVE 2020 も開催決定!みなさんに楽しんでいただけるようにがんばりますので、どうぞよろしくです!
今年は、海外にも結構行ったなあ。シンガポール、ノルウェー・デンマーク、台湾。日本でも、Hood to Fuji、MBCT '19 などで、海外のブルワーたちとの新しい出会いの場でした。飛行機嫌いで出不精なのですが、やはり外に出て行くと刺激は大きいです。来年前半も、2つ海外でのイベントが決まってます。自分に鞭打って、刺激をもらいに行くつもりです。
今年、とにかく大きな思い出になったのが社員旅行。飯山高校のおかげで、たぶん一生思い出に残る甲子園に!そして、みんなにとって念願の京都醸造と箕面ビールも最高でした。そして、秋鹿酒造には打ちのめされました。昨日も書きましたが、この訪問が、「農」への取り組みを一歩進めるきっかけになったのです。ずっとしていなかった社員旅行ですが、きっかけをつくってくれた大川親子には大感謝です!
最後に、四月に社長になりました。40年会社を務めてくれた親父が会長に。まあ、二人ともいままで通り働いているので、呼び方が変わった程度だけではあるのですが、それでも少しは、「社長」として何をしなくてはいけないか考えるきっかけにはなってます。どうも、いわゆる社長っぽいことよりも、無駄なことばかりする習性は直りそうにないのですが。
みんさん、今年一年どうもありがとうございます。2020年も、よろしくお願いします!
08/31/2019(Sat)
そして、もちろん箕面ビールへ。

秋鹿さんの見学を終えて、もちろんここに。
箕面ビールさん。
トンネルを越えただけで、大都会です。

大人数で工場を見学させてもらい、ウエアハウスへ。
ぼくは何度もお邪魔しているのですが、ほとんどのみんなにとっては初めて、そして念願の訪問です。
イベントとかでお互いよく知った顔も多数ですが、やはり、みんな興味津々。
うちみたいな田舎の環境との違いが新鮮です。

で、ビールがうまい!
志賀高原ビールと箕面ビール。
ラインアップも違うし、たぶん箕面ビールの方が繊細だしバランスもいい。
でも、意外にたくさんのお客さんに、
「箕面と志賀高原が好き」
と言われることが多いのはありがたいし、光栄です。

社員旅行も、ここが最後。
なんだか社員じゃない人も一緒だけど、本当に充実した二日間でした。
めちゃくちゃ忙しいのに、秋鹿さんの見学も含めて、この日ずっと付き合ってくれた香緒里さんには本当に大感謝!

こんな笑顔をみると、また社員旅行もやらなきゃね。
(社員じゃない人もいるけど。)
でも、今回があまりに楽しく、濃く、勉強になったんで、これを超えるのが絶望的なのが最大の問題です。

最後にまたみんなで一枚。
お土産までいただいちゃって、すみません。
箕面ビールのみなさん、どうもありがとうございました!
本当に楽しかったです。
08/30/2019(Fri)
秋鹿酒造 / 「農醸一貫」 の本物に打ちのめされに

社員旅行の続き。
甲子園、京都醸造と本当に充実した初日の翌日、お邪魔したのは大阪・能勢町の秋鹿酒造さん。
あまりに刺激が強すぎて、簡単に振り返ることが出来そうになくて、こんなに時間が経っちゃいました。
秋鹿さんのお酒とは、ぼくが玉村本店に入ってすぐくらいに、東京の酒屋さんで出会いました。
山田錦を自ら育て、こんなに素晴らしい純米酒をつくっている蔵が大阪にあるんだと知って、衝撃を受けたのですが、その秋鹿さんと箕面ビールさんが親しいと知ったのは最近のこと。
今回の社員旅行を機に、「是非!」と、香緒里さんに無理矢理お願いして今回の見学が実現したのです。

蔵には、「農醸一貫」の看板。
秋鹿さんは、なんと25ヘクタールもの自社田で山田錦を自分たちだけでつくっています。
それも、完全無農薬。
そんな米を酒にするんだから、まさに「農醸一貫」。
もちろん、単に米からつくっているだけではなく、その酒が、酸がきれいで個性豊か。
食中酒として、理想的なんです。
ぼくらも、美山錦やホップをつくっていますが、規模が違います。

案内してくれたのは、奥航太朗さん。
この日、イベントがあるというのに、蔵の隅々を案内してもらっちゃいました。
その話が、とにかく面白い!
うちのビールを随分前から知っていてくれたのは、うれしかった。

酒づくりの常識とかにとらわれず、自分たちがいいと思うこと、面白いと感じることをどんどんやっていくその姿勢には、勝手に親近感を覚えたりもするのですが、同時に、全然敵わないなあと痛感しました。
一般的な常識とは違うように感じられるつくり方が、無農薬でつくった自社の酒米を前提にすると、ものすごく理にかなっていたり。
本当に隅々まで、何も隠さず教えてくれたのですが、簡単には真似できないことばかり。

米づくりの規模も方法も、全く常識外なんだけど、少人数で全部をこなし、こんなにうまい酒にしてしまう。
「面倒なことはしない」「楽をしたい」なんて笑いながら口にするのですが、合理的な部分と、譲らない部分の区別がはっきりあって、とにかくすごいのです。

もちろん田んぼもみせてもらいます。
「この町の風景も守りたい」
なんて、さらっと言うのですが、かっこよすぎです。

農機具の話にも、もしかしたら蔵の案内以上に熱が入ります。
それにしても、圧倒されます。
確かに、この人数でこれだけの米を、それも無農薬でやるんだから、このくらいの設備は要るんだろうなあと、一同納得。

「農業面は、完全に赤字ですわ」
って、ニコニコしながら言うのですが、そりゃそうだけど、それにしてもすごい。

なんだかんだ、ほぼ二時間。
最高の時間でした。
航太朗さん、本当にありがとうございました!
ぼくらが「農業一貫」なんて言えるようになる自信は全くないのですが、少しでもやれることはやっていきたいと強く思いました。
なにからやろうか、あれからずーっと考えてます。
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