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Moks Kettle ~ 旅の終わり


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Monks Kettle に着いたのは、17時前なのですが、カウンターに座れたのがラッキーなくらい、既ににぎわっていました。

目の前にずらっとならぶたくさんのタップハンドル。

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まずは、大好きな Fuller's のポーターを見つけてオーダーします。

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黒板に書かれたたドラフト以外にも、いろんなボトルが充実しています。

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Moonlight と Russian River を訪問して、ランチもとってなかったので、食べ物もすぐオーダー。

なんてことないフレンチフライも、ディップが工夫されていてうまかった。カレー味のアリオリソースが、気に入りました。

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人気のベルジャンIPAの元祖(?)Houblon Chouffe。

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マスタードソースのポークのグリル。

まあ、マイケルがいい店を選んでくれているからなのですが、本当に食事も満足です。

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Russian River と Avery のCollaboration Not Litigation。

充実の旅をリラックスしてしめるには、最高の場所でした。

それにしても、長々書いてきましたが、10日にも満たない旅なのに、すごく充実していました。

ぼくらも醸造開始してから5年目なのですが、まだまだ立ち止まるわけにはいかないなあと思いました。

沢山の刺激に、いろいろ挑戦したいアイディアも浮かんでいます。少しずつでも実現していきたいと思っていますので、おつきあい下さい!
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サンフランシスコ


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サンタローザからゴールデンゲートブリッジを越えてサンフランシスコに戻ります。

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SFって、何度も来ているのですが、どういうわけか毎回どこかへいく時のトランジットだったりして、実はあまりゆっくりした記憶がありません。

今回も、次の日は日本に帰るので、結局行き先も一か所だけ。例の飛行機の遅れがなければ、もう一日あったはずだったのが残念です。

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毎度のことですが、海外の街並みって、なんかいいですね。見慣れないだけなんでしょうが。

こんな昔のシビックも懐かしいし、ちょっと格好いい。それも、この車といえばこの色に限りますね。

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SFのビアパブといえば、まっさきに名前がでるのが Toronado というパブなのですが残念ながら時間の関係で今回は断念。

かわり選んだ、今回の旅の最終目的地が、マイケルお気に入りのここ、Monks Kettle なのでした。

ちょっと長くなったので、つづきます。
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醸造所の猫


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ここは Russian River の醸造所内。

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Vinnie と奥さんの猫です。

男の子と女の子の二匹が、ビール工場のなかで遊んでいるわけです。

人懐っこいのが男の子。全くのマイペースが女の子だそうです。

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「清潔第一の醸造所に猫なんて」って思う人もいるかもしれませんが、この子達はちいちゃいころからここで遊んでいて、なんかここの雰囲気には欠かせない存在のようなのでした。
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日本でうまいビールが飲めるまでに


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僕を案内してくれたマイケルにも、もちろん目的はあります。

Vinnie に、ビールをわけてくれるように真剣に交渉してます。

もう三度目の訪問のマイケル。

雑誌 Lightning のマイケルのアメリカビールの連載で、Russian River を取り上げた号の記事をみた Vinnie は、ご満悦。

それでも、本当に需要に追いつかない Russian River ですから、なかなかいい返事をもらえません。

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「お願い、たのむよ~!」

あの手この手の、必死の交渉。

それでも、いつもうまくいくわけではないのです。


今回は厳しかったようですが、こうして何度も何度も現地までいって人間関係をつくって粘り強く交渉した結果として、ぼくらも日本で、いろんなビールが飲めるようになってきているわけです。

そんなマイケルたちの、今までの努力の成果が、新しいかたちで実ることに。

楽しみです。

詳しくは、こちらを。
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そして Russian River へ。


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Moonlight を出発して、また Santa Rosa に戻ります。

目的地は、Russian River Brewing。

前日にいった Brew Pub から車ですぐの新工場です。

先日も書いた通り、ここの オーナーで Brew Master の Vinnie Cilurzo は、まちがいなくアメリカのクラフトビール業界きってのスターです。

もちろん会って色々話を聞きたいと思ってはいましたが、事前の連絡ではこの日は瓶詰めや、新しいブルワーの教育などで相当忙しいといわれていたので、まあ挨拶程度でもいいやと思いながらの訪問。

1年程前に出来たというこの工場。このタンクは、モルトのサイロ。でかいです。

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ついてみると、Vinnie はちょうど瓶詰めの後片付け中。

規模は大きくなっても、まだ本人が現役プレイヤーです。

設備を見学しながら待つことに。

後で聞いたのですが、この仕込設備、以前は Dogfish Head で使われていたものだそうです。クリエイティブな人気ブルワリーに縁のある設備というわけです。

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しばらくして後片付けもすみ、リラックスした表情の Vinnie に、施設を案内してもらいます。

施設のスケールアップの際の苦労について、今の醸造の方法、樽熟成について等々、包隠すことなくすごくオープンに話してくれます。

気負ったり、威張ったりすることとは無縁な、自然体のナイスガイです。

これは日本でもそうなのですが、やはり同業者をライバルと見なすんじゃなくて、積極的に情報を交換して、全体をレベルアップしていこうという雰囲気があります。

アメリカは日本にくらべればクラフトビールの市場シェアも10倍以上にもなるのですが、それでも、オープンなスタイルはかわりません。

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うちの現在の規模を話すと、

「一番楽しい時期だ」

との返事。

Russian River は新工場をつくったとはいえ、いまだに強い需要に応えられないくらいの人気です。

このままさらに拡大することもできるはずですが、ぼくの受けた印象としては、規模的にはこのくらいでいいかなと感じているようです。

世界征服をめざすのではなく、あくまでも、おもしろいビールをつくりたいんだというような気持ちが伝わってきました。

それにしても、この樽の数。

説明をしなければ普通は、ビールの会社の写真とは思わないでしょう。

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ソノマというワインカントリーにあるブルワリーで、Vinnie にとって子供の頃からワインが身近だったということもあり、ワイン樽でビールを熟成させるということ自体、奇をてらったというよりも、好奇心の自然な延長線上にあったということのようです。

樽に貯蔵されたビールは、1年近い熟成を経て、テイスティングののち、ブレンドされていろいろな商品になっていきます。

工業化された大きな工場なのですが、そこから生み出されるビール達は、紛れもなくアートの産物なのです。

忙しかったはずなのに、いつのまにか結構な時間もたっていました。

なんか、この旅の間中、同じことばかり書いていますが、またまた大きな刺激をうけ、またまた大感謝したわけです。
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ゆっくり行こう!


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Brian が Moonlight を立ち上げてから、15年以上もたっています。

ビールの人気は高いけど、ほとんどを自分一人でこなして、いまだに瓶詰めすらせずに、樽だけでサンタローザ、サンフランシスコ中心に販売するだけです。

人気がでると急拡大して、どんどん成長していくケースが、アメリカのクラフトビールの世界でも多いのに、Brian はそれとは全く違います。

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それについて聞いてみると、

「だって、俺はこの暮らしが好きだし、十分だ。それに、大きくなるってことは、往々にしてすこしずつビールの品質に妥協がでてくる。それがいくら少しだっていっても、その少しが積み重なると、ちがったもんになっちゃうんだ」

とのこと。

別にブライアンは成長を否定しているわけでもないですし、もうじきもう一つ新しいタンクを工場に(どうやってやるのか想像つかないけど)詰め込む予定です。

でも、なんかこのスタイル、格好いいと思いました。

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すっかり楽しくて、気がつくと2時間半以上もお邪魔しちゃっていました。

ありがとうBrian!

本当に訪ねてよかったです。心が洗われるような気分でしたし、同時にすごく刺激にもなりました。


キリンとサントリーが統合に向って交渉中とのことですね。

企業経営を突き詰めていくと、やはり規模や成長は不可欠なのでしょうか。

でも、「合理的な経営」だけで、美味しかったりおもしろかったりするものが出来るのかなあと思います。(特にサントリーらしさって、非上場企業だったから故のような気がするのは僕だけでしょうか ?)

嗜好品には、「無駄」や「遊び」の要素も大事なんじゃないかと。

ぼくらは、のんびり、楽しくやっていこうと思っています。
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「フォースを感じろ!?」


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Brian に飲ませてもらったビールのうちのひとつが、Working for Tips っていうビール。

バランスのいいブラウンエールって感じなんだけど、なんとホップを全くつかっていないとのこと。

ホップのかわりに使っているのが、Redwood (セコイア)の若葉。写真は、ブライアンの庭にある木で、それを説明してくれているところです。

先端の一番若い黄緑色の部分は針葉樹のさわやかな香りを、そのちょっと上の部分は、渋さというか苦さをビールに与えてくれるとのこと。

ホップを使ったビールに、追加で Redwood をつかうとかではなく、すべてをホップ替わりとしてつかっているんですが、まさにホップをつかったようなバランスの良さ。

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そもそも、これでビールをつくろうと思ったことに驚くのですが、「キワもの」ではなくて、すごくいいビールになっていることにさらに驚きます。

思わず、「どうやって使う量とかきめるのか」って聞いたのですが、「香りを嗅いで、食べてみて、感じるんだ」っていうのが返事。

なんか、オビワン師に「フォースを感じろ」っていわれた気分です。

当たり前のことではあるんです。

当たり前のことなんだけど、データとか計算とかじゃなくて、自分で感じてみて、それをもとに判断していくって、大事だなあと改めて思いました。

皆さんにわかっていただけるかどうか自信ありませんが、簡単そうに聞こえるけど、これってすごく勇気のいることでもあるのです。

数値とかをもとに、計算して、それに頼っていく方が、安心ですし楽だったりします。でも、それだけでは、大事なことを見落としちゃうかもしれないなあと、考えさせられたのです。

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Brian に、持参した Miyama Blonde を飲んでもらいます。結構、気に入ってもらったようで素直にうれしかったです。

「セゾンが好きで、それにインスパイアされたんだ」

といったところ、

「じつは俺もセゾン大好きで、いつもストックにあるんだ」

といって、あけてくれたのがこれ。

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ブライアンはラガーとエール酵母の二種類の酵母しかつかっていないとのことですが、自分なりにいろいろ研究しているようです。

水のこと、モルトの配合のこと。お互い、話は続きます。そのうち、

「ちょっとこっちへ来い」

といって、モルトを貯蔵してある場所に連れてかれます。

そこには、小麦モルトだけがメーカー違いで8種類程。どうも、どれをつかうか検討用に集めたようです。

また、それぞれを食べながら話は続きます。

さっきと同じ話。

「感じる」のです。

ブライアン・ハント「師」の教えをうけ、初心にもどったような気分です。
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Moonlight Brewing を訪ねる。


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サンタローザ二日目。

ホテルで教えてもらった Omelette Express というところでとった朝食は、このデカすぎるオムレツ。(でも、結局ランチを食べなかったので、これでよかったのかも。)

この日の最初の目的地に向います。

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マイケルの案内で、サンタローザから車でちょっとの田舎道に分け入っていきます。

辿り着いたのがこのホップ畑。自分ひとりなら絶対すんなりとはたどり着けないような、静かな場所にあります。

規模はうちよりも小さいですが、雑草や花が自然に生えた、畑はとてもきれいで、いい感じです。

ここが Moonlight Brewing の醸造所。昨年マイケルがみつけて、やたら興奮していたこのブルワリー。どんなにとんがったビールなのかと思って、Sal's で Death and Taxes を飲んで、その素晴らしいバランスに意表をつかれた記憶があります。

住所も地図も公開しておらず、通常は工場の見学とかも受け付けていないという、隠れ家的ブルワリーです。もちろん、パブもショップもありません。

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約束の9時ちょっと前に、ぼくらを迎えてくれたのがオーナーで醸造長というか、全てを一人でこなしている Brian Hunt 師、じゃなくて Brian Hunt 氏(本当に「師」って感じなのですが、それについてはまた)。

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ホップ畑のすぐ正面のこの小さな建物が醸造所。この中に、外からは想像できないくらいたくさんのタンクが、まさにパズルのように詰め込まれたていて驚きます。

Brian の家は、すぐお隣。

畑も、工場も、家もが全て同じ場所。まさに、Brian の家です。

過去に、うちの Fresh Hop をつかっての Harvest Brew は「収穫から仕込までたぶん世界最短クラスだと思う」と書いたのですが、どうも訂正しなければならないようです。

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早速、次々にビールをくんでくれて、テイスティングをしながら色々話を聞きます。

清々しい晴天のもと、うまいビールを飲みながら、のんびり時間が流れていきます。

つづきます。
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Russian River / Brew Pub


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Flavorから歩いて向った先は、Russian Riverのブルーパブ。

モントリオールの帰りに、なぜサンディエゴやポートランドとかじゃなくサンフランシスコに寄ったかというと、とにかくここに来たかったから。

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Russian River のビールは、各種のランキングで、いつも上位に顔をだすのですが、これがなかなか飲めないのです。

Brewmaster の Vinnie Cilurzoが、Blind Pig Brewing 時代の1994年につくったIPAは、ダブルIPAの元祖ともいわれていて、現在も Pliny the Elder という名前で大人気です。

ホッピーなIPAと同時に、この醸造所のもうひとつの顔が、ベルジャン・スタイルのビールたち。Brettanomycesという醸造では毛嫌いされる酵母の一種をあえてつかったワイン樽熟成のビールなどで、現在、間違いなく最もクリエイティブばブルワリーの一つとして、非常に高く評価されているのです。

ブルーパブのガラス越しに、熟成中の樽が見えますが、Brettanomycesを恐れて、地元のワイン関係者のなかには、このパブに足を踏み入れることさえしない人もいるとか。

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これは、たしかPliney The Elder (もしかしたらRussian River IPAかも)。

この Pliney The Elder が瓶詰めされるようになったのが、ほんの数年前。知っていはいてもなかなか飲めないのが Russian River のビールなのです。

1年程前に、このブルーパブのほかに、新しい工場をつくった今でも、高まり続ける需要を満たせない状況が続いています。

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そんな幻のビールたちを堪能して、大きな刺激をうけて大満足。

ホテルに向って歩く景色は、酔っぱらいにはこんな感じだったみたいです。(まさに Nightwalker!?)

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楽しいビール、うれしいビール。

いいもんです。

この人も幸せそうです。
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Flavor Bistro


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SFに立ち寄った目的は、サンタローザ近辺のブルワリーを訪問することだったのですが、この日はその前日。

マイケルおすすめの、地元のビストロ Flavor へ。

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カウンターでつまみをとりながら。

これは暖かいオリーブ。シンプルだけどいけます。

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で、これがスモークサーモン。

目の前で手際よく、そして美味しそうに調理してくれます。うまい!

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サンタローザは、ソノマ郡の郡庁所在地というわけで、まさにワインカントリーの中心。

ワインもちょっと飲みましたが、やはり僕らはビール。

タップは、すべて地元の Moonlight Brewing です。ホッピーで派手なウエストコーストのビールのイメージとは全然違うタイプなのですが、どれも本当にバランスがよく、からだにしみいるようなうまさ。

全部試しましたが、やはり Death and Taxes(← スタイルはシュバルツ) は格別。Twist of Fate というアンバーなエールもホップがバランスよく効いていて気に入りました。

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このチキンにも大満足。

いわゆるビアパブではないのですが、ビールやワインそして料理がどれも本当に美味しくて、しかもリーズナブル。こんな店が近くにあったらいいなあとしみじみ思うのでした。

すっかりいい気分で、次の店に向かいます。
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Santa Rosa


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SFの空港からすぐに向った先は、ここサンタローザ。

サンフランシスコにも、アンカーはもちろん、最近日本でもおなじみの Speak Easy もあれば周辺には Lagunitas とか Marin とかもあるのですが、なにせ今回は日数も限られているので、サンタローザを目指すのです。

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Santa Rosa で、 Gino Vannelli の Nightwalker というアルバムの中の曲を思い出すのは僕くらいでしょうか。なつかしいです。そういえば、確か Gino Vannelli がモントリオール出身だったというのは、偶然か。

おまけに、このアルバムで大活躍のドラマーが "Vinnie" Colaiuta。それがどう関係あるかは、乞うご期待。っていっても、たぶんわかんないかな。

ホテルに荷物を置き、さっそく歩いてその晩の目的地に向います。
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ちょっと寄り道 ~ 強力な助っ人


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モントリオールの帰りにちょっと寄り道。

前に書いたトラブルに見舞われ30時間以上かかってやっとついたのがサンフランシスコの空港。

さすがSF。空港内にアンカーの看板を発見。

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もともと限られた日数しかないのに1日を無駄にしたので焦りますが、現地ビール事情に詳しい助っ人(バーオーナーでビアライターでカメラマン) Michael と合流。

Michael ?

マイケル ??

野村さん ???

そうです。Sal'sのマイケルが、もともと予定にあったケンタッキー行きのスケジュールを僕の旅に合わせて調整して、わざわざ来てくれたわけです。

何度もアメリカをビールの取材と買付けで訪れているマイケルですから、地理はもちろん人脈も圧倒的。

訪ねたいブルワリーやバーなど、自分で車を借りて、迷いながらいろいろ訪ねるのにくらべたら大違いです。

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早速、車でこの日の目的地に向います。

お目当ての場所に向う前に、ちょこっと寄ったここが一軒目。

HOPMONK Tavern というところ。

無濾過のピルスナーとホッピーなペールエール。カリフォルニアの陽射しの下でのビールは、当然うまいのでした。

つづきます。
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Dieu du ciel! x 志賀高原 = ???


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今回の備忘録モントリオール編、今日で本当に最終回です。

8時スタートで、夕方終了したこの日の仕込。

彼らが気に入ってくれているぼくらのビールをベースに、普段ぼくらが使わない酵母や材料をつかって、アイディアを膨らませたもの。

たぶんいままでにないカテゴリーの(つまりある意味では邪道な)ビールです。

お互いイメージした姿はあるのですが、はたしてその通りにできあがるのか。

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この日から3週間以上が経過しましたが、Luc からの経過報告によると、すごくいい感じのようです。

日本での発売予定はないのですが、それでも非常に楽しみです。(もしかしたら、ちょっとだけ飲める可能性も...!?)

ビールの名前は決まっていませんが、「ベルギーのたかしくん」って感じかな !?
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理論派アーティスト


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写真は、創業者で、オーナー、そして Head Brewer の Jean-François Gravel 。おなじく創業者の Stéphane Ostiguy とともに微生物学を専攻。ともに修士と博士という経歴。

Jean-François の趣味のホームブルーイングが高じて、一緒に創業したのが11年前。

それからの成功は、今まで書いた通りです。

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Jean-François は、コーヒーとかはもちろん、ハイビスカスとか胡椒とか、いろんな素材をつかって、クリエイティブなビールを次々に生み出してきたのですが、一方では、やはり相当な理論派です。

一緒にレシピをつくったり、当日色々話をしてみて、本当に勉強になりました。もしかしたら、今まで会ったブルワーのなかでも、一番、知識豊富なブルワーかもしれません。

やっぱり、こういう機会は、本当に刺激になります。
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モントリオールでビールをつくる。


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延々続けたモントリオールの話も、これが最後のネタ。

つくってきました。

Dieu du ciel!と、ビールを。

今回の訪問が決まり、「一緒につくらないか」と声をかけてもらったのです。

ご存知の通り、今年の1月、我が工場で Nogne O の Kjetil さんと Not So Mild Aleを一緒につくったのですが、今回はその反対。

Dieu du ciel! のブルーパブで、一緒にビールを仕込んできました。

先日も書いた通り、カナダはもとよりアメリカでも高く評価されている Dieu du ciel! ですが、他ブルワリーとのコラボは今回がはじめて。Luc によると、某有名ブルワーにもコラボの打診を受けたりしているそうですが、ぼくらが先にパートナーとして選ばれたのです。

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彼らは、このブルーパブ以外に、数年前に新しい大きな工場をつくっていますので、いまはその二つの醸造所が稼働中。

こちらは、仕込みサイズでいうと、ぼくらの4割くらいなのですが、それでも年間の生産量はここだけでぼくら並みというのですから驚きです。

法律で、ブルーパブで醸造されたビールは、すべてそのパブで消費されないといけないとのこと。単純計算でも1日200L以上。パブでは、工場で生産する分も出してますので、すごい販売力です。

この日も、16時くらいには、もう結構なお客さんが入っていて、楽しそうに飲んでいます。スーツ姿は見当たらず、一体どういった関係のひとたちなのかわかりませんが、羨ましい限りです。

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設備は、狭いスペースに二階建て。地下は頭を下げないとぶつかっちゃうようなところもあるのですが、きわめてコンパクト、効率的、そして清潔です。

日本を出発する前から何度もやりとりして詰めてきビールのイメージとレシピの詳細を最終確認して、いよいよ醸造開始というわけです。

つづく。
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夕食会のホストをする。


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今回の Mondial de la Bière 中、もうひとつ、お務めがありました。

フェスティバルの3日目の金曜に、「Beer and fine dining」というテイスティング・イベントを兼ねた夕食会が行われたのですが、テーマは日本。

日本のビール(と酒)を、和食のフルコースと一緒に味わうというイベントの、ホストの役目です。

結構今回のフェスティバルでも目玉のイベントです。

写真は、前菜。

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料理は、Fairmont, The Queen Elizabeth という、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの「ベッドイン」でも有名なホテルの料理長によるコース。

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これがその日のメニューです。料理だけでなく、組み合わされるビールもそれぞれ書かれています。

これは、日本を発つ前にメニューをもとに僕が選んだものです。

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前菜を食べながらのカクテルを終えて、各自着席。

ぼくは簡単なスピーチ。

で、スープが、なんとこれです。

味噌汁が、手にナプキンをかけた給仕さんたちによって、丁寧にサーブされていきます。

「味噌汁にあわせるビールって?」、と最初メニューを見た時に悩んだんですが、やっぱりこれでしょう。ベタにいきました。

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僕のテーブルは、ブルワー中心。Dieu du ciel! のヘッドブルワー Jean-François(左)と、昨日も登場の、Le Trou du Diable の Andre。

二人が飲んでいるのが、縁喜 純米吟醸 金紋錦。

この日は、うちの酒があわせて三種類出されたのですが、カナダでは、まだ飲める日本酒も相当かぎられているとのことで、本当にビール以上に (!?)好評でした。

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メインは鴨の照り焼きとエビの天ぷら(っていうかフリッター)。

写真にはないのですが、この鴨の照り焼きと富士櫻麦酒のラオホとの組み合わせは、沢山の人に絶賛されました。

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これがデザート。

「スイート寿司マンゴーソースとわさびアイスクリーム」っていうメニューを見せられても、どういうものがでてくるか想像できませんでしたが、こういうことです。

ハーヴェストムーンのケベック産のメープルシロップをタップリ使ったメープルボックは、やはり相当注目を浴びていました。

というわけで、日本人として、「これが和食か?」という個人的な疑問も感じましたが、ビールと食事との相性もふくめて、みんあとても楽しんでいたようです。

まあ、ぼくは飲み物を選んだだけなのですが、いろんな感想をもらったり、多くのビール関係のプロにも誉めてもらったりで、ほっとしましたし、うれしかったです。

今回のフェスティバルに、日本のビールが初参加し、その実力を楽しみながら確かめてもらうには、いいイベントだったと思います。

こういうのも面白いですね。
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モントリオールのクラフトビールに驚く。


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(今日はちょっと長いけど、最後までお付き合いを!)


モントリオールはトロントに次ぐカナダ第二の都市。

モントリオールのあるケベック州はフランス語圏であることは、もちろん理解していたのですが、行ってみるまでは、そうはいっても同じ北米。結局アメリカみたいなんだろうなと思っていました。

ところがです。想像以上に「ヨーロッパ」なのでした。言葉はもちろん、人や街の感じが、アメリカとは全然ちがうのです。言葉で不自由したりもするのですが、僕には居心地がよかったです。

そんなモントリオール(とケベック州)のクラフトビールですが、やはりアメリカと時を同じくして、どんどん発展してきたようです。

でも、やっぱりそこはモントリオール。

クラフトビールのスタイルにもヨーロッパ、特にベルギーの影響を強く感じました。

写真は、たぶん最も成功して、2006年からはサッポロの傘下にはいったUnibroue

ベルギースタイルが有名で、大きなブースで、(たぶんイベント用にリクルートされたと思われる)若い女性たちがサーブしていました。この規模では仕方ないのでしょうが、ブルワーの姿などはなく、だいぶ商業的です。

今回、ジャッジ等々で忙しくて、そんなに沢山飲んでまわることは出来なかったのですが、限られた時間の中で、Luc が、おすすめのビール/ブルワリーのブースを案内してくれました。時間がなくても、短時間でいろいろ飲んだり、ブルワーにあえたりするのがこういうフェスティバルのいいところです。

結果としては、Unibroueみたいな歴史もある大手以上に、若くて小規模なブルワリーのビールが、勢いもあり、かつ本当においしくて、すごく驚くことになりました。

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写真の彼は、Japan Night でうちのビールを気に入ってくれて、是非ブースに顔を出せといってくれた、Le Trou du Diablo というブルーパブの Dany。つぎつぎに、おすすめのビールを注いでくれます。

2005年の12月にオープンしたばかりという彼らのビールですが、今回のコンテストで2個のゴールドメダルを取っただけでなく、一般ビジターの人気投票でも、第一位(ゴールド)を獲得。(ちなみに、第二位と第三位は Dieu du ciel!。)

やはりベルギーの影響を感じるビールは、スコッチエールにチェリー(?)を使ったり、木樽で熟成したりと、独自の挑戦をしながらも非常にバランスよく、美味しかったです。

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こちらが、ブルーマスターの Andre(左)とシェフの Frank。今回は時間がなくて彼らのお店には行けなかったのですが、ビールだけでなく、Frank の料理も相当美味しいらしいです。

この日の夜、彼ら二人と、Dieu du ciel! のオーナーの一人 Stephane と Luc、さらにイタリアから訪ねてきていた Birrificio del Ducato というところのブルワー二人と一緒に、モントリオールで一番と Luc がすすめる日本食屋に行きました。国を越えたブルワー同士での時間は、楽しかったですし、刺激にもなりました。食に対する感性が、ヨーロッパ的なのか、なんか話をしていてしっくりくるのも発見でした。

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こちらは、BENELUX という2006年スタートのブルワリー。

向って左が、ブルワーの Benoit 。僕のセミナーで、日本酒について熱心に質問をしていたのが彼です。

アメリカンスタイルのビールもあったのですが、セゾンが三種類もあったのが印象的でした。大好きなスタイルで、(美山ブロンドはありますが)自分ではまだ取り組んでいないものなので、すごく興味があって、イーストや醗酵法なんかについて、ついつい逆に質問攻めに。

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で、ここが、今回の僕のまちがいなく一押し!

Hopfenstark というブルワリー。

ウェブがフランス語だったりで、定かではないのですが、ここもまだオープンして1年くらいと言っていたはずです。

でもとにかくうまいんです。

ここも、ベルギー系が特に強く印象に残っているのですが、セゾン(今回ゴールドメダル受賞)、そしてフランボワーズをつかったサワーエール、さらにそれを樽熟成したものなど。どれも、恐ろしくおいしかった。

向って左のブルーマスター Frederick Cormier には、 Dieu du ciel! でのイベントで会っていたのですが、熟練のホームブルワーとして、ワイルドイーストも含めて、酵母には相当の知識をもっているようでした。

帰り際、特別に、樽熟成のバルティック・ポーターのボトルをプレゼントしてもらったのですが、飲むのを本当に楽しみにしています。


この他、写真はないのですが Broadway Pub というところもよかったです。


旅行で気分が高揚していたとか、自分のスタイルとは違うベルギー系が多かったといった要素が、好印象を増幅したのかもしれません。でも、やっぱり今日書いた若くて小さいブルワリーのビールはどれも完成度が非常に高く、同時にとても挑戦的で新しい印象で、本当に感動しました。

ヨーロッパの文化的な影響に、New World の進取の精神が加わって、新しいものが次々に生み出されている気がしました。バランスよく、それでいてとてもオリジナルなのです。

それから、今回会った彼らの、プロのブルワーとしての経験は、ぼくらよりも短かったりするのですが、もともと ホームブルワーとして永年醸造をしてきた人がほとんどでした。やっぱり、日本も自家醸造を解禁にすべきだなあと、強く思いました。

予想を大幅に越える刺激をうけて、今後の僕のビールづくりにもかなりの影響があったと思うのです。
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セミナーをする。


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フェスティバルに招待してもらうにあったってコンテストのジャッジのほかに、セミナーをすることも条件でした。

会場は、各種セレモーニー行われるコンコース内の一角。

SDIM0285.jpg(輸出をしているベアードさんはもちろんですが、富士櫻さんが今回のために英語のラベルを用意されていて、驚きました。さすが!)

僕の番は、Japan Nightの翌日の午前。

結構ハードスケジュールで、時差ぼけになっている暇もありません。

日本のクラフトビールについて(と日本酒についても)話せとのことで、何本かビールと酒を紹介しながらの45分です。

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まあ、そんなにものすごく大勢の前でもなかったですが、後で気づけば、ブルワーとか業界関係者の比率が高かったです。

ぼくのMacがプロジェクターにつながらずに、用意したプレゼンテーションを小さい画面でしか見せられなかったりと、はじまる前には、間が持つかと心配したのですが、やってみると45分はむしろ短かったです。すごく一般的な内容だったのですが、質問も結構でて、みんなにサンプルのビールを飲んでいただくのも、結構バタバタでした。

ともかく、なんとか無事にお役御免となってひと安心したのでした。
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Japan Night @ Dieu du ciel!


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モントリオール・ビール・フェスティバルの期間中、毎晩市内のいろんなビアパブでイベントが行われたのですが、そのトップを飾ったのが6/3(水)の夜の、Dieu du ciel! でのJapan Night。

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9種類の日本のビールが樽生で提供されました。

列記すると、

博石館ビール: スーパーヴィンテージ2001、自然麦酒
ハーヴェストムーン: バーレイワイン
箕面ビール: ダブル IPA
ベアードビール: パシフィック・センチュリー・エール、ダークスカイ・インペリアル・スタウト
富士櫻高原麦酒: ラオホ
志賀高原ビール: タカシ・インペリアル・スタウト、ウィート・ワイン・オブ・志賀高原

なんか、(度数的にも)相当強力なラインアップです。

ビールの評判は、とてもよかったです。博石館のワイルドイーストについてなんか、みんな興味津々でした。

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この黒板の文字を書いたのは、なんとLuc! いくら見ながらといっても、これだけ書けるとは驚きです。(「たかし」の「た」が間違っているのはご愛嬌。)

聞けば、忙しいにもかかわらず、相当の時間をかけて準備したそうです。

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22時スタートのこのイベント。

いつも混んでいる Dieu Du Cielですが、この日はテーブルも片付けて立食でのスタート。それでも、身動きできないくらい大盛況です。(といっても、この写真じゃ暗くて見えないですね。)

代表でちょっとスピーチをさせられましたが、すごく反応がよくてうれしかった。

会場にはモントリオール在住の日本人の方もちらほら。

他にも、地元のブルワー達も大勢来ていました。

僕がビールの醸造の勉強をはじめた時に教科書的にすごく真剣に読んだ「New Brewing Lager Beer」という本があるのですが、その著者のGreg Noonanに偶然会って、ビールを誉めてもらったのには感激しました。

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夜も深まり少しゆったりして、テーブルもだされたりしましたが、音楽とミラーボールの光の中、まだまだ Japan Night は続くのでした。
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コンテストのジャッジをする(その2)


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写真は、審査二日目。イタリアのBirrificio Baladinというブルワリーのオーナー Teo Mussoと、イギリスのビールのコンサルタント・インポーター・ジャッジのGlenn Payne。

この他にも、スウェーデン、ベルギー、アメリカ、フランス、そしてもちろん地元のカナダと8か国からの9人のジャッジが参加。

Great American Beer Festival や World Beer Cup等での審査経験が豊富な人、ビールのジャーナリストやインポーターなど、幅広い経歴の9人です。

フリースタイルの審査ですし、ある程度ジャッジの個人的な嗜好に左右される点は否めないと思うのですが、そういう意味で幅広いバックグランドをもつメンバーを集めたということかもしれません。

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写真は、審査を終え、記念撮影を撮る際に、「刑務所の囚人の写真撮影みたいだ」といってふざけているところ。

審査中は私語厳禁ですが、二日間8時間近くも一緒にいたので、いろいろ話もできて刺激もうけました。

で、結果は(英語ですが)こちら。(ジャッジのうちの一人、Carolyn Smagalskiのサイトです。)

スタイルを基準にしないという審査故に、どうしても度数の強いビールをよしとするバイアスがかかりそうかなとも思ったのですが、結果はアルコール度数6%以下のものも約半分。

前回も書いた通り、当初はちょっと戸惑いましたがやはりスタイルとか度数とかに関係なく、やはりいいビールはいいんだとやってみて感じました。

あと、全体にビールのレベルは高かったと思います。弱点を探すというネガティブな面よりも、よりビールとしての魅力のあるものを選ぶという印象でした。

結果的には地元カナダ、それもケベックのビールが圧倒的でした。もちろんエントリーの比率も高かったのだと思うのですが、今回地元のビールのレベルの高さに驚きました。

モントリオールのビールのレベルの高さについては、また後日。
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