01/31/2010(Sun)
頑固さ

先週、関東信越国税局の巡回指導がありました。
毎年この時期に、鑑定官室の先生が、蔵を訪ねてきてくださり、酒のつくりの実際の様子を見たり、タンクのもろみや酒母、麹の出来を確認したり、出来上がった酒を利いたりしていろいろなアドヴァイスをいただきます。
前も書きましたが、ぼくは日本酒のつくりに関しては、実際の仕込は杜氏に100%任せています。
シーズン前に、どんな酒をどのくらいつくるかといった酒造計画を杜氏とつくりますし、出来上がった酒に対しての意見はもちろん言います。売る責任もぼくにあります。
でも、つくりの最中は、中途半端にああだこうだというのは控え、時々様子を聞かせてもらうくらいです。
でも、こういう機会は、第三者のプロがうちの酒づくりをどうみるのか興味があって、毎年、時間が許す限り同席させてもらっています。
毎年、経験豊かな先生がいらっしゃって、いろいろな助言をいただきます。
なるほどと思うご指摘をいただき、早速つくりに生かすことも多いです。
でも、一方で、指導の後に杜氏と話すと、指摘された部分でも杜氏なりに譲れないところもあって、その場では「はい」とはいいながらも、ある意味聞き流している部分もあるのがわかります。
謙虚に人の意見に耳を傾ける姿勢はもちろん大事ですが、同時にそれを取捨選択して、自分ならではの酒づくりの方法を固めていく上で、頑固さも必要なのです。
ぼくも、自分のビールに対して意見をもらった時に同じようなことを感じます。
独りよがりになってはいけない一方で、自分を見失ってもいけないわけで、そこのバランスをとるっていうのは、わかっていても難しいなあといつも感じるのです。
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comments
ビールの醸造の方へも来られるのではないですか?
日本酒と違い、歴史が浅いですから鑑定官の先生も通り一辺倒のこと意外口を挟んではきませんが。
こちらとしてはもうちょっと突っ込んだ話もしてもらいたい反面、あまり口出しされたくないと言う本音もあり、如何ともしがたいですね。
ビールに限らず、醸造に対する醸熱(意訳)を語り合う機会を私も持ちたいですね(笑
このブログ(コメント含め)を見るだけでもかなりの思想的刺激を受けます。実際に顔を付き合わせての意見交換には、軟骨魚類の牙よろしく幾重にも重なり、行く末が見えなくなっている我が眼の鱗も容易に剥がれ落ちるのでしょうが。
コメントなのに愚痴になっていしまいました。
このブログに救われていることに感謝しつつ、静かに閲覧させていただきます。
0123
コメントどうもありがとうございます。
いまのところ、うちの場合、こういう機会は日本酒の方だけです。
そのかわり、ビールの方はブルワー同士行き合う機会に、オープンに情報交換させてもらって刺激を受けたり、助けられたりしています。
これからもよろしくお願いします。
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