06/29/2011(Wed)
おっさんたちがつくった「黒いフルーツエール」

「ん、 "noir"? えっ、黒?」
そうです。
「普通、果物の色、生かすだろう!」
まあ、
「ぼくらみたいな、おっさんたちが、ピンクとか紫とかのファンシーなビールをつくるのも、どうかなあと思いまして。」
というのは、半分冗談(でも半分本気)です。
普通なら、淡色のたとえば小麦ベースの5%くらいのビールに仕上げて、きれいな色を生かすというのが王道だと思います。
でも、ブルーベリーの生かし方を考えている過程で、何人かに
「ブルーベリーをつかったビールって、なんかいまいちなんだよな」
との指摘されたり、文献などを調べても、他の果物との比較でも、ブルーベリーは酸味や香りの主張が強くなく、魅力のあるものにするのが難しいようです。
ぼくらとしては、どうせつくるんなら、
「きれいで飲みやすいんだけど、なんだかなあ」
という感じにはしたくなかったのです。
で、真剣に考えているうちに、saison noir や 一石二鳥をつくった経験をベースに、ここにブルーベリーが加わるのはいいんじゃないかと思うにいたりました。
で、出来上がったのがこいつ。
アルコール度数は7%。
セゾン酵母によりボディはドライ。
いわゆる甘いフルーツビールではありません。
酵母由来のフルーティさ、例によってたっぷりつかったアロマホップ、そこにブルーベリーの香りが加わった複雑な香り。口に含むと、はっきりと酸味と果実実味を感じいただけると思います。
この酸味、もちろんブルーベリー由来のもの。
先日も書きましたが、「ぼくらのブルーベリー」が品種的にも酸を感じるものだったというのが、いい感じに効いていると思っています。
むしろ仕込の当初は、この酸が結構強く感じられてだいぶ心配もしたくらいだったのですが、熟成を経て「かど」がとれてきたのを実感しています。
こんな感じで、仕込んでから半年くらいですが、この間の熟成による変化は、ぼくらの想像を上回っています。
もちろんぶどうからつくったワインとは別物ですが、ドライでありながらもフルーティで、おまけに熟成による味の変化も楽しめる。
結構面白いものに仕上がったと思ってます。
大変遅くなりましたが、Web での販売も開始いたしました。どうぞよろしくお願いします。
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