樽をつかう理由


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先週発売しました、Oak Aged 山伏 2010、おかげさまで大好評です。

今日は、ちょっと補足。

なぜ樽をつかうかについて。

もちろん、ワインの樽のフレーバーの影響も期待はしているのですが、実はそれは第一の目的ではありません。

そもそも、つかってる樽は、ワイナリーですでに何年、何回もつかわれた中古の樽。

詰めるときに、樽のフレーバーは、もちろん感じるのですが、新樽なんかとは比べ物にならないくらい穏やか。

ではなぜ?

それは、酵母のため。

前も書きましたが、通常のビール酵母では、完全醗酵させても、麦汁の糖分の一部はどうしても分解されずに残ります。

その割合は、通常のビールだと20-30%程度。

山伏の場合は、セゾン酵母と温度管理で、10%を切るくらいまで分解されていますので、通常版でも相当ドライな仕上がりです。

でも、それ以上を目指して取り組んでいるのが、この樽での醗酵・熟成なのです。

樽に詰めるに際して、ブレッタノマイセスという酵母を加えています。

この酵母、ワインの世界では毛嫌いされています。その香りは、時に馬小屋、汗、消毒、獣、あげくの果てはうん○にも例えられのですから、嫌われるのは当然です。

でも、そんな問題児ですが、ベルギーのランビックなどの味わいを特徴づけるものでもあり、最近ではアメリカなどを中心にビール醸造に積極的に取り入れられるようになってきています。

もちろん、うまくつかわないと、上記のような不快な香りにつながるわけですし、工場の複合汚染の危険性もはらんでいます。

ただ、よくできたビールには、通常のビール酵母だけでは生み出し得ない、ドライで複雑で、時にきれいな酸が特徴的な、すばらしいものが多数あるのです。

そんなブレタノマイセスですが、好気性、つまり緩やかな酸化の環境を好み、そうした環境で非常に長い時間をかけて活動します。

ご存知の通り、通常のビール醸造では、酸化は大敵。

密閉のタンクで、徹底的に還元的(=酸化の反対って意味ね)につくるのですが、こいつは別物。

というわけで、このブレタノマイセスが活動しやすくするための環境として、いわば家として木樽をつかうというわけです。

添加量、ブレタノマイセスの種類、元のビールのアルコール度数やホップの量などなどはもちろん、温度とそして時間。

最初の試みからまだ二年半。

時間はかかりますし、まだまだこれからではありますが、そんな試み続けてるわけです。




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