01/27/2008(Sun)
麹づくり

以前も書きましたが、ワインなどのように、すでに原料が醗酵に十分な糖度を持っている(=甘い)のならいいのですが、酒やビールなどの、穀物で造る酒の場合、糖化という行程が必要になります。
ビールの場合は、麦芽の中の酵素の働きで、でんぷんを糖化するのですが、酒の場合、この糖化の役割をするのが、麹(こうじ)です。

蒸して、麹室(「こうじむろ」と読みます)に「引き込んだ」米に、種麹(たねこうじ)というものを加え、適切な温度管理をしながら麹菌を増殖させ、麹室でおよそ48時間かけて糖化に最適な麹をつくります。
大規模な仕込みでは、自動製麹機と呼ばれる機械が使われることも多いのですが、玉村本店では、全量、箱麹法と呼ばれる、古くからの箱を使っての麹づくりをしています。この方が、手間はかかりますが、より均一ないい麹が出来るからです。

麹室では、「切り返し」「仲仕事」「仕舞仕事」とよばれるように、一日のうち、何度か蔵人が手をいれたり、箱を積み替えたりしながら、温度を調節します。
麹室の温度は30度前半。0度に近い、室の外との温度差は非常に大きいので、そこを何度も出たり入ったりしながらの作業は、身体にこたえます。
蒸米の状態、麹室に引き込んだ時の温度、その後の作業といった様々な要素が、麹の出来に影響します。味、菌の繁殖具合(破精(はぜ)といいます)を判断しながら、いい麹づくりの追求が、毎日続きます。
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comments
水・米・麹・酵母に加え、様々な作業が重なり合って日本酒ができるんですね。
誰が最初に考えた(見つけた?気付いた?偶然?)のか本当に不思議です。
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