01/28/2008(Mon)
酒母

階段を上って向う先は、酒母室。酒の母とかいて「しゅぼ」と読みます。
最初は少量の酵母を、米と麹と水を加えた、いわば「小さな酒の仕込み」のなかで、増殖させたものが酒母です。
この酒母(の中で増えた酵母)が、その後の、より大きな仕込みで、働いていくわけです。

糖を、酵母がアルコールに分解することで、出来るのが酒です。昨日触れた麹が、米のでんぷんを糖にかえる一方で、酵母がその糖をアルコールに分解していきます。
ワインでもビールでも、通常、糖化が終わった液体に酵母を加えて発酵をさせるのに対して、麹と酵母が一緒に働きながら、糖化と発酵をくり返しながら、20度近い、醸造酒としては世界でも最も高いアルコール度数が達成されます。ちょっと、専門的ですが、これを並行複式発酵とよびます。
日本酒の醸造技術が、高度だといわれるのも、この発酵の方法によります。温度や、濃度をコントロールしながら、発酵と糖化の両方を同時に最適化していくからです。
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