06/09/2007(Sat)
公開きき酒会

一昨日、今年の全国新酒鑑評会の入賞酒が一同に集まる、公開きき酒会が、池袋で開催され、杜氏と一緒に参加してきました。
久しぶりに東京で開催されるということもあり、開場の1時間も前から長蛇の列。でも、入ってみると、意外にしっかり酒を味わうことができました。
北海道から九州まで、474の大吟醸が集まり、そのほとんどの味をみるのに、会場内での待ち時間も含めて、約4時間。僕らは、結構ペースの早い方だったと思いますが、それでもこのくらいの時間はかかりました。
さすがに入賞酒だけということで、全体のレベルは高く、勉強になりました。僕自身は、県や,関東信越国税局規模の同様の会に参加したことはあるものの、全国新酒鑑評会の酒の飲み比べは初めてでした。

間違っているかもしれませんが、感じた傾向としては、やはり、「端麗さ」に対する評価が高いということ。最近、毎年好成績をおさめている、東北の酒全般にも、こうした傾向が強く出ていたと思います。
それから、口に「引き込んだ」ときの柔らかさ。当たり前のことなのかもしれませんが、特にこの柔らかさが、とても重視されているとの印象でした。
やはり、山田錦をつかった酒が数的には圧倒的。いわゆる「品評会仕様」という感じで、すごく良く出来ているのだけど、画一的に感じてしまう酒も少なくありませんでした。でも、中には、杜氏と二人でうなるような、さすがと思わせるすばらしいバランスの酒もいくつかありました。個人的には、山形、そして必ずしも「品評会的」な酒でないのに、すばらしい酒が多かった鳥取の酒のいくつかが、特に印象に残りました。

金紋錦での初挑戦だった縁喜は、主流の端麗な酒と比べると、味が強く、ちょっと異色な印象で、香りや柔らかさといった面での課題はあるなと感じました。その課題のうちのいくつかは酒の若さからくる部分でもあり、熟成により良くなるのではとも思うのですが、そうでない部分に関しては、今後まだまだ努力していく必要があると感じました。
今回は、入賞にとどまったわけですが、品評会で評価される典型的なタイプの酒なのに及ばないところがあったというのでなく、独自の個性があって及ばなかったという意味では、良かったと思っています。スタイルを変え、いわゆる「品評会の酒」を目指すのではなく、うちならではの「個性」で、評価してもらえるような酒をつくっていきたいと思っています。
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