06/12/2007(Tue)
「農」と「醸」の距離(2)

ある一流のワインのつくり手の方と話した時、「醸造技術は、すべてを台無しにはできるが、どんなにすばらしい技術であっても、いいブドウなしには、いいワインはつくれない。そういう意味で、醸造技術のワインの味への影響度は、悪ければ100%になり得るが、良くてもせいぜい10-20%どまりだ。」というようなことを聞きました。謙遜もあったとは思いますが、なるほどとも思いました。同時に、日本酒の場合はどうだろうとも考えました。
糖化という行程が必要なく、原料であるブドウの善し悪しが、そのまま酒質に直結するワインに対し、日本酒の場合(ちょっと専門的ですが)、麹と酵母をコントロールしながら、糖化と醗酵を同時に進めるという意味で、醸造技術の介在する余地が大きいとは思います。
では、米の違いが、どれだけ日本酒の味に影響するのか。影響があるのは当然ですが、それがどの程度なのか、今の僕には正しく理解している自信はありません。しかし、自分たちで米を作るという試みを通じて、醸造技術だけでなく、原料に関する試行錯誤をしながら、その答えを見つけていきたいと思っています。
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