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はじめて、ビールを捨てました。


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はじめてビールを捨てました。

1702仕込み目。

新作の IPA でした。


いいビールをつくるためには、

「捨てる勇気を持たないと駄目だ!」

なんて、よく言われます。

でも、ぼくは、それにずーっと抵抗してきました。


納得のいかないビールをつくらないように、

- 徹底的に考えて準備する

- 衛生管理を、とにかく完璧に

- それでも起こる問題救済の手段を考えやり尽くす


時には九死に一生を得ながらも、16年間、1701仕込みをしてきたのですが...


途中まで、絶好調だった新作が、最終段階にさしかかったくらいで突然納得いかない味に。

「そんなはずはない」

「もう少し待てば大丈夫」

と、自分を納得させようとしたのですが、どうにも違うのです。


それでも、

「これはこれでありか」

と、したくなる自分がいたりもします。


でも、どうしてもおかしい。

何度飲んでも、だめなんです。

一緒にビールをつくる仲間の妥協しない態度にも助けられました。


本当にいろいろ考え、分析、点検を繰り返した結果、原因がわかりました。

嘘みたいにシンプルな、でもそれだけに恐ろしい機材トラブルでした。

ブレンドしてごまかすことも出来なくなかったかもしれませんが、それじゃダメなのです。


というわけで、今回の決断にいたりました。

「ビールなんかつくるもんじゃない」

って、思うのは、こういう時です。


ビールを捨てるっていうのは、もちろん、原材料と労力と時間が勿体無いわけですが、それだけではありません。

つくったビールは、すべて酒税の対象。

「捨てた」と嘘をいって、税金を誤魔化さないようにと税務署に連絡します。


で、この写真の瞬間を迎えたわけです。

悲しかった。



でも、納得のいかない味になった原因がわかってよかった。

じゃなきゃ、「イップス」みたいになったかも。


このビールを捨てた日、同じビールを仕込みました。






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