09/19/2008(Fri)
自家栽培米 美山錦 92%使用!?

昨日も書きましたが、今年から「ひやおろし 吟醸生詰」でつかう美山錦は、全量自家栽培になりました。
試行錯誤をくりかえしながらも、年々、品質も向上していると感じている思い入れある米です。(もちろん、自分でつくっているので、出所にも120%の自信ありです。)
ただ、ちょっとややこしいのですが、使っている美山錦は全量自家栽培米でも、酒全体での使用率は約92%。
そのわけは、仕込みのサイズにあります。この吟醸、小さなタンクでの仕込みです。そのため、酒母(=酵母を増やす行程)を、大吟醸と共用しているのです。そう、今年の全国新酒鑑評会で金賞を受賞したあの大吟醸です。
ですので、酒母の分だけ、大吟醸と同じく、木島平村産 金紋錦を39%まで精白した米をつかっているというわけです。
ワインとかなら、「シャルドネ」とか「メルロー」とかいった単一品種を名乗ることが、他の品種の使用が一定比率以下なら許されるのですが、税務署によると、日本酒の場合は、今回みたいに9割以上使っていて「自家栽培米美山錦」ではなく「自家栽培米美山錦使用」と記載しても、だめなのだそうです。
例えば、裏ラベルに美山錦92%、金紋錦8%の表示をしてあっても、表の肩張りにも「自家栽培米美山錦使用」だけではだめで、さらに「自家栽培米 美山錦92%使用」といちいち書かなくてはいけないとのこと。
「自家栽培米 美山錦92%使用」って、書いたラベルを貼るかどうかは、検討中です。もちろん、せっかくの「自家栽培した特別栽培米」だっていう付加価値をアピールしたいのですが、ご覧になったかたに、なぜ92%なのか、いちいち上に書いたような事を説明することもできないわけで、わかりづらいなら、泣く泣くアピールするのをあきらめようか、どうしようかと...
もちろん、いまは例の事故米の問題等で、表示の問題が重要なのもわかっていますが、それにしても、ぼくらは決して表示でお客様をだまそうとも思ってませんし、自家栽培米以外の部分は、むしろより高級な酒なわけですし、ちょっと複雑な心境です。
とはいえ、酒そのものは、昨日も書きました通りの自信作。金賞受賞の大吟醸と同じ酵母で、こちらが先にデビューです。
長々書きましたが、とにかくお飲みいただきたいわけです。はい。
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comments
たしかに誤解を招くような分かりにくい表示は消費者にとってあまりありがたくはありません。
一方で今日のタイトルがなんで92%?中途半端な数字に好奇心が沸きました。そして記事を拝見し、真摯な姿勢が感じられて好感を感じました。今日の記事をコピーしてお酒に付けられるといいのにな。などと軽軽しく考えましたが、実際それはたいへんですものね。
そういっていただけると励みになります。表示って、ミスリーディングなものではいけないと本当に思っているのですが、なかなか難しいものです。
自己責任で、飲んで判断しろっていうのが、乱暴だっていうのも理解しているつもりですし...
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