12/09/2008(Tue)
一番大事にしている「普段の酒」

縁喜の一番スタンダードな酒(昔でいうなら二級酒、最近では佳撰っていうところも多いですが)は、本醸造です。
本醸造とは、「原材料に米、米麹、 醸造アルコールのみを使用し、精米歩合70%以上、麹の使用割合が15%以上で、香味、色沢が良好なもの」と国税庁の「清酒の製法品質表示基準」で定められています。
これ以外の酒は、「普通酒」といわれ、例えば醸造アルコールの使用量が基準より多いもの、糖類を添加したいわゆる三増酒などが含まれます。
玉村本店の旧佳撰は、もともと糖類の添加がないのはもちろん、醸造アルコールの使用量も、上記の本醸造の基準にだいぶ近かったのですが、「普段の酒」をもっと良くしたいという思いから、普通酒を本醸造に格上げして三年目になります。(価格は据え置き。)
本醸造以上の酒(=上記の「清酒の製法品質表示基準」を満たす、純米酒や吟醸酒等)を「特定名称酒」と呼びます。したがいまして、縁喜はすべて特定名称酒というわけです。
醸造用アルコールを嫌い、純米酒でなければだめだという酒ファンの方もいらっしゃいます。確かに、良く出来た純米酒はいいものですし、玉村本店でも力を入れています。でも同時に、きちんとつくった本醸造も、美味しいのです。
ずっと地域の方々に支持されている味(もちろん価格も)を大事にしたいということもあって、全量を純米酒にはしていません。
ただ、「醸造アルコール」にもいろいろな種類があるのですが、縁喜では「米アルコール」だけを使用しています。以前、いろいろなアルコールを比較してみたのですが、僕らとしては「米アルコール」が一番いいと判断しました。新酒の段階で、以前はアルコールのちょっと固い感じがあったのですが、米アルコールに変えてから、味の「まるみ」が向上し、効果を実感しています。
大吟醸とか純米吟醸とかいう高級酒ももちろん美味しいのですが、毎日の晩酌で、食事のお伴として楽しめるスタンダードな酒の良さを、もっと大事にしたいと僕らは考えます。
そんな思いが、より多くのみなさんに伝わればと思いながら、一番普通の酒を真面目につくっています。
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comments
姿勢に共感しました。
縁喜さんの本醸造、今以上に注目です。
埼玉県での取扱店はありますか?
どうもありがとうございます。そういっていただけるとうれしいです。
生憎、ほとんど地元で販売しているような酒屋なもので、埼玉で常時お取り扱いいただいている酒屋さんはありません。
「ブログをみた」といって本醸造を含むご注文をいただければ、初回だけですが送料無料でお送りしますので、よろしければどうぞ。
HP:
http://www.tamamura-honten.co.jp/
Mail:
order@tamamura-honten.co.jp
これをご覧の他の方も是非!
しかしながら近年の志賀高原ビールはホップの使い過ぎや高アルコールが目に付くようになりました(日本のクラフトビール全体の傾向でもありますが)。これはこれでおいしいのですが、ごちそう過ぎて毎日飲むような酒ではありません。
初期の頃の、もう少し穏やかでシンプルでスタンダードな味わいのビールも残しておいて頂きたかったと思っています。
コメントどうもありがとうございます。 いい言葉ですね。
ビールの方へのご意見、承りました。確かに、House IPAとかTakashi Imperial Stoutとかの、限定品はだしていますが、酒と同じ気持ちで、ペールエールやポーターといった醸造開始以来の定番ビールをあくまでも大事につくり続けているつもりなのですが...
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