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近くて遠い目標


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(この日は、風邪で体調がすぐれないのに、長々お邪魔してすみませんでした。)

写真は小布施ワイナリーの四代目で栽培醸造責任者の曽我彰彦さん。

玉村本店からは車で30分ほど。先日、お忙しいところを無理をお願いして、時間を割いていただき、いろいろお話を聞かせてもらいにお邪魔してきました。

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曽我さんは、国産ブドウ100%はもちろん、自社ブドウ100%化を目指しています。2005年には雹(ひょう)で大被害をうけたりもしているのですが、日本では無理だともいわれる、欧州ブドウの無化学農薬栽培に取り組み、そうしてつくったブドウでは、ワインづくりでは一般的な補酸、補糖を一切しないといったように、品質に対するこだわりは半端ではありません。

醸造も、手間がかかっても、伝統的な樽熟成に徹底的にこだわります。この日も見せてもらったのですが、スパークリングワインづくりも、伝統的なシャンパンの製法を忠実に再現した、ものすごく手間のかかる方法に取り組んでいます。

本場ブルゴーニュでの修行を経て、ワインづくりを主導する曽我さんですが、国内外のコンクールで数々の賞を受賞したり、全日空のファーストクラスに採用されたりと、非常に高い評価を受けています。(現在は、コンクールに迎合するのは、ワインの没個性化につながるとの考えから、国外のコンクールへの出品は見合わせているとのことです。)

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(飾り気のない素朴さが小布施ワイナリーさんらしさなのですが、酒蔵を改装したここの雰囲気はとても素敵です。)

なによりも品質重視で、採算がとれるのかと、まわりを心配させる程の熱意で取り組むその姿勢には、とにかく頭が下がります。「いいものさえつくれば、採算なんか、あとでなんとかなるんだ」という気概を強く感じます。

曽我さんの存在は、ずっと気になっていて、ぼくが玉村本店に入って、志賀高原ワインの方向性(←以前は小布施ワイナリーさんで瓶詰めしてもらっていました)や、ビールづくりを始めることなどを考える過程で何度かお話を聞いて、すごく大きな刺激をもらいました。

「あくまでもいいものをつくるんだ」というその姿勢と同時に、醸造が農業に密接に関連しているという(ある意味あたりまえの)ことを、改めて認識させてくれたのが曽我さんだったと思います。

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(なにせ量よりも質重視。売り切れちゃうワインも続出なので、どれも貴重なワインです。)

ワインとビール、ブドウとホップなど、取り組んでいるものは違うんですが、今回、数年ぶりにまたお会いして、その妥協のないストイックなまでの姿勢を再確認して、自分たちが、まだまだだなあと痛感しました。

近くにいるのですが、まだまだ遠い大きな目標です。

おかげで、いくつか新しい挑戦のヒントもいただきました。また、気持ちを新たに、ぼくらも頑張らなきゃと思うのでした。

曽我さん、本当にありがとうございました!
23:59 | 雑文 | comments (3) | trackbacks (0) | edit | page top↑
「訳の分からない味」→「やみつき」→「中毒」 | top | 古き良き時代

comments

私も行った事があります。小布施の観光施設街から離れているにもかかわらずワイナリー目当ての大勢のお客さんが訪れていました。入口の黒板に、よくぞ当ワイナリーを探し当てて来てくれてありがとう。のような言葉が書かれていて、面白いなあと思いました。
小布施ワイナリーの経営姿勢を評価される玉村さんが造るお酒。これからもますます楽しみにいたします。
貫太朗 | 2009/02/10 15:23 | URL [編集] | page top↑
eigoさんが周りの人達やモノから刺激を受けるのと同じように、私はeigoさんや玉村本店の皆さんから刺激を受けていますよー!!
Kom | 2009/02/10 18:33 | URL [編集] | page top↑
いやあ、本当にうちなんかまだまだなのです。

なにができるか、真剣に考える今日この頃です。
ego-brewer | 2009/02/10 20:04 | URL [編集] | page top↑

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