04/23/2009(Thu)
日本酒の守備範囲

こちらは、
特別純米 無濾過生原酒
ひとごこちを59%まで精米した、人気の特別純米酒の無濾過版(1,400円、900ml)です。特別純米は、個人的にぼくの定番晩酌酒でもあります。
今回の、玉村無濾過生原酒シリーズは、吟醸や純米吟醸といった高級酒ではなく、定番酒クラスです。
普段お飲みいただきたいという意味で、もちろん価格という要素もあるのですが、それだけではありません。
ぼくらは、酒の善し悪しは、精米歩合等のスペックだけではないと思っています。
先日も書きましたが、ぼくの大好きな蕎麦に例えた場合、確かに高級で真っ白な更科蕎麦もいいのですが、素朴でまさに蕎麦の色をした田舎蕎麦もいいものです。
ぼくは、どちらかというと田舎蕎麦の方が、蕎麦らしい味がする気がして好きです。
酒も同じ。
高精白することで雑味が減って、香りがたってくるという面はもちろんプラスです。一方で、香りはそこそこでも、酒本来の味を感じるという点では、やはりこのクラスの酒に良さを感じるんです。
食生活の多様性がすすみ、食卓にのぼる料理の種類も劇的に増えています。和食のみならず、イタリアンから中華、エスニック料理までと、日本人の食卓程、国際性が豊かなところは世界的にも他にはないのではと思います。
それとともに、食事も、より旨味(油っぽさも)のある、しっかりした味わいのものが増えてきたようにも感じます。
そんななか、日本酒以外の酒が、食との相性で選ばれる頻度も高くなってきたのは、ある程度仕方ないことかもしれません。
従来の日本酒のよさは、もちろん失われたわけではありません。でも、ちょっと物足りなさを感じることもあるのではと思います。特に、お燗をして酒を飲む機会が減ってきたのも、この「もの足らなさ」につながっているのではと思うのです。
無濾過生原酒は、度数も高く「生」ですから、味がしっかりしています。
その分、冷やで飲んでいただいても、しっかりした料理との相性がいいと感じます。
魚の煮付け、豚の角煮、うなぎ、かつおなどなど。
これから夏にむかって、食べたくなるような料理との組み合わせを是非お試しいただきたいと思います。
無濾過生原酒で、日本酒の守備範囲が広がると思うのです。
まあ、焼酎や、端麗な酒の方がいいという方もいらっしゃると思います。どちらがいいかは好みの問題で、スーパードライがいいか、志賀高原ビールがいいかみたいな話だと思います。
ぼくは、もちろん「負けない味のある酒」の方を選びます。
| ホーム |
comments
post a comment