07/19/2009(Sun)
そして Russian River へ。

Moonlight を出発して、また Santa Rosa に戻ります。
目的地は、Russian River Brewing。
前日にいった Brew Pub から車ですぐの新工場です。
先日も書いた通り、ここの オーナーで Brew Master の Vinnie Cilurzo は、まちがいなくアメリカのクラフトビール業界きってのスターです。
もちろん会って色々話を聞きたいと思ってはいましたが、事前の連絡ではこの日は瓶詰めや、新しいブルワーの教育などで相当忙しいといわれていたので、まあ挨拶程度でもいいやと思いながらの訪問。
1年程前に出来たというこの工場。このタンクは、モルトのサイロ。でかいです。

ついてみると、Vinnie はちょうど瓶詰めの後片付け中。
規模は大きくなっても、まだ本人が現役プレイヤーです。
設備を見学しながら待つことに。
後で聞いたのですが、この仕込設備、以前は Dogfish Head で使われていたものだそうです。クリエイティブな人気ブルワリーに縁のある設備というわけです。

しばらくして後片付けもすみ、リラックスした表情の Vinnie に、施設を案内してもらいます。
施設のスケールアップの際の苦労について、今の醸造の方法、樽熟成について等々、包隠すことなくすごくオープンに話してくれます。
気負ったり、威張ったりすることとは無縁な、自然体のナイスガイです。
これは日本でもそうなのですが、やはり同業者をライバルと見なすんじゃなくて、積極的に情報を交換して、全体をレベルアップしていこうという雰囲気があります。
アメリカは日本にくらべればクラフトビールの市場シェアも10倍以上にもなるのですが、それでも、オープンなスタイルはかわりません。

うちの現在の規模を話すと、
「一番楽しい時期だ」
との返事。
Russian River は新工場をつくったとはいえ、いまだに強い需要に応えられないくらいの人気です。
このままさらに拡大することもできるはずですが、ぼくの受けた印象としては、規模的にはこのくらいでいいかなと感じているようです。
世界征服をめざすのではなく、あくまでも、おもしろいビールをつくりたいんだというような気持ちが伝わってきました。
それにしても、この樽の数。
説明をしなければ普通は、ビールの会社の写真とは思わないでしょう。

ソノマというワインカントリーにあるブルワリーで、Vinnie にとって子供の頃からワインが身近だったということもあり、ワイン樽でビールを熟成させるということ自体、奇をてらったというよりも、好奇心の自然な延長線上にあったということのようです。
樽に貯蔵されたビールは、1年近い熟成を経て、テイスティングののち、ブレンドされていろいろな商品になっていきます。
工業化された大きな工場なのですが、そこから生み出されるビール達は、紛れもなくアートの産物なのです。
忙しかったはずなのに、いつのまにか結構な時間もたっていました。
なんか、この旅の間中、同じことばかり書いていますが、またまた大きな刺激をうけ、またまた大感謝したわけです。
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