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そして Russian River へ。


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Moonlight を出発して、また Santa Rosa に戻ります。

目的地は、Russian River Brewing。

前日にいった Brew Pub から車ですぐの新工場です。

先日も書いた通り、ここの オーナーで Brew Master の Vinnie Cilurzo は、まちがいなくアメリカのクラフトビール業界きってのスターです。

もちろん会って色々話を聞きたいと思ってはいましたが、事前の連絡ではこの日は瓶詰めや、新しいブルワーの教育などで相当忙しいといわれていたので、まあ挨拶程度でもいいやと思いながらの訪問。

1年程前に出来たというこの工場。このタンクは、モルトのサイロ。でかいです。

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ついてみると、Vinnie はちょうど瓶詰めの後片付け中。

規模は大きくなっても、まだ本人が現役プレイヤーです。

設備を見学しながら待つことに。

後で聞いたのですが、この仕込設備、以前は Dogfish Head で使われていたものだそうです。クリエイティブな人気ブルワリーに縁のある設備というわけです。

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しばらくして後片付けもすみ、リラックスした表情の Vinnie に、施設を案内してもらいます。

施設のスケールアップの際の苦労について、今の醸造の方法、樽熟成について等々、包隠すことなくすごくオープンに話してくれます。

気負ったり、威張ったりすることとは無縁な、自然体のナイスガイです。

これは日本でもそうなのですが、やはり同業者をライバルと見なすんじゃなくて、積極的に情報を交換して、全体をレベルアップしていこうという雰囲気があります。

アメリカは日本にくらべればクラフトビールの市場シェアも10倍以上にもなるのですが、それでも、オープンなスタイルはかわりません。

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うちの現在の規模を話すと、

「一番楽しい時期だ」

との返事。

Russian River は新工場をつくったとはいえ、いまだに強い需要に応えられないくらいの人気です。

このままさらに拡大することもできるはずですが、ぼくの受けた印象としては、規模的にはこのくらいでいいかなと感じているようです。

世界征服をめざすのではなく、あくまでも、おもしろいビールをつくりたいんだというような気持ちが伝わってきました。

それにしても、この樽の数。

説明をしなければ普通は、ビールの会社の写真とは思わないでしょう。

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ソノマというワインカントリーにあるブルワリーで、Vinnie にとって子供の頃からワインが身近だったということもあり、ワイン樽でビールを熟成させるということ自体、奇をてらったというよりも、好奇心の自然な延長線上にあったということのようです。

樽に貯蔵されたビールは、1年近い熟成を経て、テイスティングののち、ブレンドされていろいろな商品になっていきます。

工業化された大きな工場なのですが、そこから生み出されるビール達は、紛れもなくアートの産物なのです。

忙しかったはずなのに、いつのまにか結構な時間もたっていました。

なんか、この旅の間中、同じことばかり書いていますが、またまた大きな刺激をうけ、またまた大感謝したわけです。
23:59 | モントリオール・SF 2009 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
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