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新規参入が少ない理由


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(モントリオールの人気ブルワーたちも、ほとんどホームブルワー出身で、小さくスタート。)

先日の続き。

日本の「地ビール」に、新規参入が少ないという点について、あと二点ほどふれたいと思います。

まずは、参入条件について。

ビールの免許を取得するには、現状年間60klの最低製造数量をクリアしなければなりません。これは、94年に2,000klから引き下げられたのですが、実際に免許を取得した経験から考えても、ゼロから立ち上げて、最初から「60klをちゃんとつくって売れます」と、説得力のある説明をするのは、容易ではありません。

もちろん、いい加減なビール会社が乱立してはいけませんが、もうすこし条件を緩和して、いろんな人にチャンスを与えたらいいのではと思います。

小規模ではじめて、段々に成長していく方が、いきなり大きなリスクをとるよりも、むしろ成功につながると思いますし、そういう実例もたくさんあります。

うまくいく人は酒税を払うわけですから、やはり参加者の人数を増やして、成功の確率を高め、そのうえで競争させたらいいと思うのです。

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(今や大スターの Russian River の Vinnie Cilurzo も、ホームブルワー出身。)

もうひとつは、自家醸造についてです。

海外では、一定の数量内で、個人がビールを自家醸造することが認められています。

実際、アメリカなどでは、ホームブルーイングは、非常に人気のある趣味ですし、ホームブルワー関連の情報も非常に充実してますし、関連のビジネスも盛んです。

「個人でつくったら、ビール会社はもうからないだろう」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、実際は逆です。

ビールに積極的に関わることで、多くの人がよりビールの世界に興味をもって、それが消費にもつながっています。さらに、ホームブルワーが、ビール会社を立ち上げるなんていうことも、全然めずらしくありません。

一部の大企業やお役所主導だけではなく、多くの個の力がビール業界を底上げしていくという方向性が、日本でも重視されてもいいと思うのです。

前回ふれた通り、海外の例をみても、クラフトビールの業界に発展する余地がないわけではありません。

むしろ、環境を整えることで、この小さな業界を税制面で支援することも、将来への投資として見合うものになる可能性は充分あるはずです。
23:59 | ビール全般 | comments (2) | trackbacks (1) | edit | page top↑
「ビール類」の酒税 vs 「地ビール」の酒税 | top | 蕎麦、粉になる。

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