12/06/2009(Sun)
新規参入が少ない理由

(モントリオールの人気ブルワーたちも、ほとんどホームブルワー出身で、小さくスタート。)
先日の続き。
日本の「地ビール」に、新規参入が少ないという点について、あと二点ほどふれたいと思います。
まずは、参入条件について。
ビールの免許を取得するには、現状年間60klの最低製造数量をクリアしなければなりません。これは、94年に2,000klから引き下げられたのですが、実際に免許を取得した経験から考えても、ゼロから立ち上げて、最初から「60klをちゃんとつくって売れます」と、説得力のある説明をするのは、容易ではありません。
もちろん、いい加減なビール会社が乱立してはいけませんが、もうすこし条件を緩和して、いろんな人にチャンスを与えたらいいのではと思います。
小規模ではじめて、段々に成長していく方が、いきなり大きなリスクをとるよりも、むしろ成功につながると思いますし、そういう実例もたくさんあります。
うまくいく人は酒税を払うわけですから、やはり参加者の人数を増やして、成功の確率を高め、そのうえで競争させたらいいと思うのです。

(今や大スターの Russian River の Vinnie Cilurzo も、ホームブルワー出身。)
もうひとつは、自家醸造についてです。
海外では、一定の数量内で、個人がビールを自家醸造することが認められています。
実際、アメリカなどでは、ホームブルーイングは、非常に人気のある趣味ですし、ホームブルワー関連の情報も非常に充実してますし、関連のビジネスも盛んです。
「個人でつくったら、ビール会社はもうからないだろう」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、実際は逆です。
ビールに積極的に関わることで、多くの人がよりビールの世界に興味をもって、それが消費にもつながっています。さらに、ホームブルワーが、ビール会社を立ち上げるなんていうことも、全然めずらしくありません。
一部の大企業やお役所主導だけではなく、多くの個の力がビール業界を底上げしていくという方向性が、日本でも重視されてもいいと思うのです。
前回ふれた通り、海外の例をみても、クラフトビールの業界に発展する余地がないわけではありません。
むしろ、環境を整えることで、この小さな業界を税制面で支援することも、将来への投資として見合うものになる可能性は充分あるはずです。
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土日とゲストビール無くなってしまいまして申し訳ありませんでした。これもすべて予想に反してたくさん飲んでしまったみなさんのせいです。嘘です。おいしいビールを造ってしまった志賀高原ビールのせいです。これも嘘です。もちろん発注忘れた私の責任です。これは本当で...
2009/12/07 (Mon)
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